モチベーションの下がる下請け仕事

大手からの下請け仕事

鍵修理業者に依頼するのは、一般の家庭や企業・団体からの開錠作業や鍵・錠の取り替えなどをイメージしている人も多いでしょう。
でも、ときどき同業者の鍵修理業者から依頼されることもあるようです。
私が働いていた鍵修理業者ではありました。
あれは、10月の三連休の最終日の夕方6時頃で、外は薄暗いときです。
全国チェーンの鍵修理業者から電話がかかってきました。

つまり、下請けとして依頼があったのです。
この下請けの仕事は決して多いわけではありません。
せいぜい月に1件ほどの割合です。
でも、仕事を貰えるのは嬉しいのですが、問題はマージンが極めて低いのです。
ヒマを持て余して時間を浪費するよりは少しでもお小遣い稼ぎをしようといったスタンスなので、決してモチベーションは高いものではありません。
渋々ながら本来の依頼主の状況・住所や電話番号などを聞いて行くことにしました。
依頼された場所は田舎の場所のため、とても遠くにあります。
あまり知らない土地だったため、地図を片手に目的地に進むことにしました。

でも、主要道路は三連休の最終日のこともあって、大渋滞です。
やっとのことで目的の町に到着したのですが、そこから詳しい場所が分からないため、携帯電話で現地の人と連絡を取りながら目的の住居に到着しました。

心配りの素敵な依頼者さんでした

かかった時間は1時間半ほどでした。
これほど時間がかかったので待っていた人は怒っているかと思ったら、その様子がなかったので不幸中の幸いだと言えるでしょう。
怒っている人を背中に仕事をするのはやりにくいですし、遅いからと料金の支払いを渋る人も決して少なくないのです。
依頼は鍵開けのようだったので、ものの数分で終えることができました。

どうやら、連休を利用して家族みんなで旅行をしたけど、どこかに鍵を落としてしまったようです。
そういった人は意外に多くいるものです。
きっと旅行で気が緩んでしまって、鍵を紛失してしまう人が多いのでしょう。
会ったときから今までも心遣いがしっかりとしていて、当然料金も指定どおり頂きました。
もちろん、マージンが低いのでやはりテンションは低くなってしまいます。
でも、その家族が一緒に夕食を誘ってくれたのです。旅行帰りなので手の込んだ料理ではありませんでしたが、一食分が浮かすことができたのはもちろんその心配りが何よりも嬉しいものです。

移動に4時間、実入りは…

そして、夕食をご馳走になって帰ることにしましたが、行きよりもさらに渋滞がひどくなっていました。
行きは迷いながらいって1時間半だったのに、帰りは2時間以上もかかってしまいました。
開錠作業は数分から十数分くらいに終わるのに、移動時間は4時間近くです。
つくづく鍵修理業者という仕事は、ほとんどが自動車を運転することにあるのだと気づかされた依頼だったと思います。
それにしても移動時間を合わせて4時間近く働いて、あれだけのマージンなのです。
いつの時代も、どこの業種でも、下請けというのは厳しいものだと実感させられます。